巻き爪とは

爪が食い込んで痛みがある、爪が巻いているなどの爪トラブルは比較的よくみられますが、まとめて巻き爪として認識されているケースが多くあります。しかし、厳密には巻き爪以外にも陥入爪（かんにゅうそう）という疾患もあり、巻き爪として来院される方の中には実際には陥入爪と診断されるケースも多くみられます。
陥入爪とは爪の端が棘のようになって皮膚に食い込むことで炎症をおこしている状態です。そのため、陥入爪では程度の差はありますが、必ず痛み、赤み、腫れなどの炎症に伴う症状があらわれます。一方で、巻き爪とは爪の湾曲の程度が通常よりも過剰になっている状態です。巻いている爪が皮膚に食い込むことで痛み、炎症をおこすことはありますが、必ずみられるわけではなく、むしろ痛みがない巻き爪のケースも多く見られます。
ここでは、様々なパターンの巻き爪に対応できる「ワイヤー矯正法」の治療についてご紹介します。巻き爪・陥入爪についての詳細は下記もご覧ください。

巻き爪のワイヤー矯正とは

ワイヤー矯正法とは、超弾性合金ワイヤーを用いて行う矯正法で、爪の弯曲に沿って曲げた状態で爪にワイヤーを設置します。そして、曲がったワイヤーが元に戻ろうとする力を利用して、過度に湾曲した爪を平らに戻していく方法です。ワイヤーを爪に通すために穴を開ける必要がありますが、痛みなく穴を開けることができますので、施術全体を通して無痛で終わり、麻酔を使用することはありません。
施術自体は5分程度と短時間で行うことが可能です。
当院ではオニックスワイヤー®によるワイヤー矯正を行っていますが、オニックスワイヤー®はワイヤーの種類が豊富なため、様々な状態の巻き爪に対応することができるという点が特徴です。

ワイヤー矯正の方法

①爪にドリルで穴開け

爪に穴を開けるのに適した精密ドリルを用いて2か所ワイヤーを通すための穴を開けます。痛みなく穴を開けることができますので麻酔も不要です。

②ワイヤーを穴に通して短くカット

爪に開けた2か所の穴にオニックスワイヤー®を通します。その際にワイヤーの端が皮膚に刺さったり、飛び出して衣類などに引っかからないように短くカットして整えます。

③ワイヤーの固定

光硬化樹脂をワイヤーの上から塗った後にLEDライトをあてることで数秒で硬化します。施術後から靴下を履いて普段通りに帰宅ができます。

神楽坂　肌と爪のクリニック 野田弘二郎先生よりご提供

ワイヤー矯正の治療スケジュール

当院ではワイヤー矯正をトータル6か月間の通院で1クールの治療となるようスケジュールしています。その間に患者様には約5回ほど受診いただき、ワイヤーの入れ替えは約3回となります。
下記に受診のタイミングと受診時の診療内容についてご紹介します。
＊巻き爪の変形、彎曲が高度な場合は治療に6か月以上かかる場合があります。
＊ワイヤーが外れる、爪が破損するなどのトラブルが生じた場合は通院回数が増える、治療期間が伸びるなどの場合があります。
＊通院間隔・ワイヤー入れ替えの間隔は患者様の爪の状態により前後する場合があります。

初回受診時

巻き爪の状態を評価し、治療方法についてご説明します。希望される方は初診当日にオニックスワイヤー®による矯正治療を行うことが可能です。巻き爪による痛みがある場合でも、早ければワイヤー装着後より痛みが改善します。
施術に要する時間は1か所あたり数分程度です。

再診（1回目）

初回のワイヤー矯正から1～2週間後に再診していただき、爪の状態を確認します。
1回目の再診では主に爪とワイヤーの状態の観察が目的となりますので、ワイヤーの入れ替えは行いません。初回のワイヤー矯正からおよそ6週間後（1か月半後）にワイヤーの入れ替えを行いますが、初回の施術から2週間以内であれば、万が一ワイヤーが外れた場合でも無償で入れ直します。

再診（2回目）

初回のワイヤー矯正からおよそ6週間後（1か月半後）を目安に受診していただき、爪の矯正具合によりワイヤーの種類などを変えながらワイヤーの入れ替えを行います。

再診（3回目）

初回のワイヤー入れ替えからおよそ6週間後（1か月半後）を目安に2回目のワイヤー入れ替えを行います。

再診（4回目）

2回目のワイヤー入れ替えからおよそ6週間後（1か月半後）を目安に2回目のワイヤー入れ替えを行います。

再診（5回目）

矯正開始からおよそ半年経過するタイミングで爪の状態を確認します。矯正の状態が良好であればワイヤーを除去し、巻き爪の予防などのアドバイスを行いますので、再発予防を意識した日常生活を送っていただきます。

ワイヤー矯正中のトラブル

ワイヤー矯正中には下記のようなトラブルが起こる場合があります。

・ワイヤーの脱落
ワイヤーを固定している硬化樹脂が剥がれてワイヤーが爪から脱落することがあります。

・爪のひび割れ
ワイヤーの矯正力により爪にひび割れが生じることがあります。

・皮膚の痛み
矯正が進むことでワイヤーが余り、皮膚に食い込むことがあります。また、矯正により爪の弯曲が平らになることで爪が側方の皮膚に食い込んで痛みを生じることがあります。

上記のようなトラブルが生じた場合は当院までご連絡をいただくか、受診いただくようお願いいたします。症状に応じて適切に対処させていただきます。

ワイヤー矯正の料金

オニックスワイヤー®による巻き爪ワイヤー矯正は健康保険が適用されない自費診療となります。

ワイヤー矯正　初回

9,900円（税込み） ＊オニックスワイヤー®材料費を含む

ワイヤー交換（約6週間ごと）

6,600円（税込み）

＊上記は材料費など全ての費用が含まれており、施術から2週間以内にワイヤーが外れた場合は理由を問わず無料でワイヤーを入れ直します。（2週間以降でも再診料のみで入れ直し可能です）
＊1クール（治療期間6か月間でワイヤー矯正4回）で約30,000円（月5,000円）となります。
＊自費治療の再診料は1,100円です。