
スピロノラクトン
スピロノラクトン
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スピロノラクトンはむくみに対する利尿剤(尿の排泄量を増やす薬)や心不全治療薬として以前から使用されている飲み薬です。男性ホルモンにはにきびの原因となる皮脂の分泌を増やす働きがありますが、スピロノラクトンはこの男性ホルモンを抑制する作用があります。それによって、皮脂の過剰な分泌が抑えられることでにきびへの高い治療効果が期待でき、欧米でも女性の難治性にきびには推奨されている治療法の一つです。
よって、スピロノラクトンは生理周期で繰り返す難治性の大人にきびがある女性、フェイスラインににきびを繰り返す女性などがよい適応となります。(男性ホルモンの作用を抑制するため通常男性は適応になりません。)通常は重篤な副作用がおこる頻度が低いですが、月経不順がおこることがあります。その際は低用量ピルを併用するケースもありますので、近隣の産婦人科への受診をご紹介させていただきます。
また、スピロノラクトンはにきびに対する使用は保険適用外のため自費診療となります。
・成人以降でにきびができるようになった、あるいは悪化するようになった大人にきびにお悩みの方
・生理周期でにきびの悪化と改善を繰り返す方
・あごやフェイスラインに治りにくい大きめのにきびを繰り返す方
・顔以外にも胸や背中など広範囲に治りにくいにきびがある方
・顔の皮脂が多い方
・軽度~中程度の多毛をともなう方
・保険診療を含む他の治療で治りにくかった方
スピロノラクトンを1日25mg~100mg(1錠25mgのため1~4錠)を朝、夕の2回に分けて症状に応じて調節しながら内服します。2~4週間後に再診していただき、副作用のチェックを行います。
内服開始時の初期量にもよりますが、通常は2~4週間程度で少しずつ皮脂の分泌が減ってきて、早ければ1~2か月で新しくにきびができなくなる、あるいは新しくできるにきびが減ることが多いです。この時点でもよい効果があらわれないようであれば内服量を増やすこともあります。新しいにきびができなくなって4週間ほど経ってから、スピロノラクトンの減量を開始します。
通常は1か月毎に25~50mg(1~2錠)ずつ減らしていき数か月かけて終了していきます。
イソトレチノインと比較して、スピロノラクトンでは終了後の再発がしばしばみられますので、少量のスピロノラクトンの内服を継続してにきびをコントロールしていく場合もあります。いずれにせよスピロノラクトンによるホルモン治療を行っている間は定期的な血液検査による副作用のチェックが必要となります。
・過去にスピロノラクトンを内服しアレルギーがあった方
・妊娠中、授乳中の方
・腎機能障害、肝機能障害、高カリウム血症がある方
・心臓の血管(冠動脈)、脳動脈に疾患、異常のある方
・副腎不全のある方
・タクロリムス(免疫抑制剤)、エプレレノン(利尿剤)、ミトタン(抗がん剤)、エサキセレノン(降圧剤)を内服中の方
・小児や高齢の方
スピロノラクトンの内服中には婦人科系の副作用がしばしばみられますので、規則正しい生理周期に誘導するために低用量ピルと併用して治療する場合があります。
利尿作用によりみられることがあります
薬疹とよばれる薬のアレルギーによる発疹で、内服を開始してから2週間前後までにみられます。全身に発疹が広がってくる場合は内服を中止して医師にご相談ください
定期的に血液検査を行い、副作用があらわれていないかをチェックします
スピロノラクトンによる副作用は通常は軽度である場合が多く、内服量を減量あるいは中止することによって改善されることが多いです。
高カリウム血症、重症薬疹、急性腎不全などが重篤な副作用として報告されています。
そのため、動悸や胸痛、全身の倦怠感や脱力感、尿量減少、むくみ、頭痛などの症状がみられる場合はいったん使用を中止して医師に相談をしてください。
スピロノラクトン 25mg 30日分 | 4,400円 |
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スピロノラクトンは、医薬品医療機器等法において、「高血圧症、浮腫など」の効能・効果で承認されていますが、当院で行うニキビ治療目的での使用については国内で承認されていません。
国内の医薬品卸業者より国内承認薬を仕入れています。
スピロノラクトンは国内で承認されておりますが、承認されている効能・効果および用法・用量と当院での使用目的・方法は異なります。
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