あせも（汗疹）とは

あせもは医学用語では汗疹（かんしん）といい、大人よりも赤ちゃんや子どもにできやすい皮膚疾患です。原因は汗をたくさんかくことによって汗の通路（汗管：かんかん）の出口に汗がたまり、汗管が詰まることが特徴です。特に赤ちゃんは大人に比べて、体の表面積は小さいにもかかわらず、汗を作る組織（汗腺：かんせん）と汗管の数が大人と同じであるため、とても汗をかきやすいという特徴があります。加えて、まだ皮膚のバリア機能が弱いため、汗の成分による刺激を受けやすいこともあせもの原因となっています。
あせものできやすい部位としては、汗がたまりやすい肘や膝の内側、首のシワの溝のほか、寝具やオムツで蒸れやすい背中、下腹、お尻などにもできやすいです。
あせもは汗管の中で汗の詰まりがおこる深さによって3種類に分かれます。どのタイプのあせもでも、日常生活におけるケアのポイントは汗をかいたらすぐにタオルやハンカチで拭き取ったり、シャワーで洗い流すことで汗を残さないようにすることが大切です。その他にも汗をかきにくい涼しい環境を整えたり、汗をかいたらこまめに着替えさせる、保湿を行うなども行うとよいでしょう。

・水晶様汗疹（すいしょうようかんしん）

水晶様汗疹は白いあせもで、皮膚の最も浅い角層という部分で汗が詰まることによっておこる軽症のあせもです。透明で点々とした水ぶくれのようなぽつぽつが特徴で、炎症は伴わないため通常は痒みはありません。ほとんどのケースで自然治癒します。

・紅色汗疹（こうしょくかんしん）

紅色汗疹は赤いあせもで、皮膚の角層の下にある表皮という部分で汗が詰まることによっておこります。行き場をなくした汗が汗管の外に漏れ出ることで炎症をおこすため、痒みと赤みのあるぽつぽつが特徴です。紅色汗疹はあせもの中で最もよくみられます。痒み以外にもチクチクとした痛みを感じる場合もあります。
自然治癒することも多いですが、炎症がおこって痒みが強い場合にはステロイド外用薬などを用いて治療します。

・深在性汗疹（しんざいせいかんしん）

通常は熱帯地方でみられることが多いため、日本ではほとんどみることはありません。他の2つのあせもよりもさらに深い真皮という部分で汗が詰まっておこります。

・汗かぶれ

汗の通り道（汗管）が詰まるあせもとは違いますが、汗かぶれという皮膚疾患もあります。汗かぶれは汗に含まれる塩分やアンモニアが刺激となって皮膚がかぶれた状態です。汗かぶれでは汗をかくたびに皮膚が刺激され、ひりひりしたりチクチクとした痛みと赤み、痒みがおこります。