シミのレーザー治療(Qスイッチルビーレーザー)
シミのレーザー治療(Qスイッチルビーレーザー)
目次
Qスイッチルビーレーザーはメラニン色素への吸収率が非常に高い波長694nmのレーザー光を用いたレーザー機器です。メラニン色素はシミ、そばかす、茶あざなどの茶色い発疹、異所性蒙古斑、太田母斑などの青色の発疹に多く含まれています。ルビーレーザーはメラニン色素以外へのレーザー光の吸収が少ないため、周囲の正常な組織へのダメージを最小限に抑えながら、シミやあざの原因となるメラニン色素のみを選択的に破壊することが可能となっています。
当院で導入しているQスイッチルビーレーザーの「MODEL IB103 EX」は、エムエムアンドニーク社製の最新モデルです。高いピークパワーを非常に短い時間(ナノ秒単位)で照射できるため、シミやあざに対して切れ味よく治療を行うことができます。

当院のルビーレーザー治療では、症状やダウンタイムの許容度に合わせて「スポット照射」と「トーニング照射」の2つの方法で治療することができます。
高い出力のレーザー光を病変にピンポイントで照射する方法です。メラニン色素を破壊する効果が高いため、1回の施術での治療効果が高いことが特徴です。一方で、疾患によっては治療後にかさぶたが出来たり、1~2週間ほどの軟膏・テープ処置が必要となります。
一般的なシミ(老人性色素斑)、そばかす(雀卵斑)、青あざ(異所性蒙古斑、太田母斑)、茶あざ(扁平母斑)、ADMなどが対象となります。
スポット照射よりも弱めの出力で、頬全体、顔全体などに面でレーザーを照射します。複数回にわたり照射を繰り返しながらメラニン色素を少しずつ減らしていく施術で、全体のシミを少しずつ薄くしていきながら、肌全体のトーンアップ、ハリ・弾力の向上といった効果もあわせて得られます。
施術後は数時間~1日以内(長い場合は2,3日)で赤みがみられる程度で、かさぶたはできず、軟膏やテープ処置も不要となります。通常は翌日には赤みが落ち着いていることが多く、日常生活への影響を大きく懸念することなく、少ないダウンタイムで続けやすい施術方法です。
広範囲にそばかす(雀卵斑)や薄いシミが混在している方、肝斑が混在している方、ダウンタイム少なく広範囲のシミやそばかすを少しずつ治療していきたい方などが対象となります。
一般的には3~5回とされていますが、症状や治療に対する反応の程度によっては5~10回かかる場合があります。施術の間隔は4週おきが推奨されていますが、4週以上空いてしまっても問題ありません。

Qスイッチルビーレーザーは健康保険が適用される「あざ」の治療と、自費診療となる「シミ」の治療の両方に対応しています。
加齢や紫外線への曝露によって生じる、境界がはっきりした茶色のシミです。最も一般的なシミで、顔や手の甲によく見られます。
施術の推奨タイミングは、シミが濃くなって気になるようになったタイミングでよいですが、施術後は徹底した紫外線対策・摩擦対策が必要となります。そのため、長時間屋外にいる予定のないタイミングで行うことが推奨されます。
老人性色素斑ではメラニンが皮膚の浅い層にあり、ルビーレーザーに非常に良く反応します。通常1〜2回の照射で除去できることが多く、治療効果を実感しやすい疾患です。
遺伝的な要因が強く、幼少期から鼻や頬の周りに散在する小さな茶色の発疹です。
思春期以降で、ご本人が見た目を気にされるようになったタイミングで治療が検討されます。
1回の照射でも薄くなることが多いですが、遺伝的素因があるため、数年かけて新たにそばかすがみられる場合があります。広範囲に点在することが多いため、トーニング照射で少しずつ薄くしていく方法や、全体のバランスを見ながら色調の濃い部分・目立つ部分からスポット照射していく方法があります。
通常はお尻にみられる蒙古斑が、腕や足、背中などにみられるものです。成長しても消えにくい「持続性」のものもあります。
治療の開始タイミングとしては乳幼児期のなるべく早期が推奨されています。乳児のほうが皮膚が薄く、レーザーが深部まで届きやすいことに加え、病変の面積も成長前であれば相対的に小さいため、少ない回数で良い治療効果が得られる傾向にあります。
一方で、レーザー治療の回数を増やすことにより病変の完全な消退を目指すことで色素沈着や色素脱失(白く色が抜ける)などの副作用のリスクが高くなってしまうため、ある程度病変の色調が薄くなった段階で様子をみることも大切になります。これは、異所性蒙古斑が通常は10歳頃までには自然に消退していくことが多い(4~8%ほどは自然消退しない)ため、あくまでレーザー治療は病変が自然に軽快していくための後押しとして行うという考え方となります。
保険適応での治療が5回まで可能であり、治療間隔は早くても6か月ほどは間を空けながらレーザー治療を行い、一般的には3~5回が目安となります。
生後半年以降あるいは思春期以降に目の周り、額、頬にできる青色から灰青色の色調のあざです。通常は顔の片側だけにみられますが、まれに両側にみられることもあります。
シミの原因であるメラニンを作り出す細胞のメラノサイトが、皮膚の深い層(真皮層)に存在して増殖することで青色の色調の見た目となりますが、通常は真皮層にはメラノサイトは存在しないはずであり、なぜメラノサイトが真皮層で増殖しているのか、原因は解明されていません。
病変部は年齢とともに色調が濃くなって、広がる傾向があります。また、幼小児期から治療を開始したほうが治療効果も高くなるため、幼小児期からの早期治療が推奨されています。
保険適応での治療が5回まで可能であり、一般的には3か月間隔で照射を行います。
トータルの治療回数は4~5回程度が目安ですが、成人例ではそれ以上の回数が必要となる可能性もあります。また、病変の色調が茶色に近い場合は治療効果があらわれやすい一方で、青色の色調が濃い場合は治療効果が出にくいともされています。
そして、太田母斑では経過中に病変が拡大する場合もあり、明らかに病変が拡大している間はレーザー治療はせずに経過観察することが推奨されます。これは仮に病変拡大中に治療を行ってしまうと、拡大した後の新たな病変に対して再度レーザー治療を行う必要があるため、部位によって治療回数が異なってしまうためです。そのため、病変が拡大している間は3か月ほどの間隔で経過をみさせていただきつつ、病変の拡大が落ち着いてから治療を開始することが大切となります。
生まれつきみられる茶色く平坦なあざで、あざの中でも発生頻度が高いとされています。成長に伴い思春期頃に肩から上腕、胸部にみられるようになる遅発性の扁平母斑もあり、ベッカー母斑とも言われ、病変部に毛が生えてくることもあります。
扁平母斑はあざの中でも治療効果が得られにくい疾患であり、再発率も高いとされています。
成人になってからレーザー治療を開始するよりも、乳児の早期から治療を開始したほうが治療効果が高いとされています。一方で、成人では再発率は80%ほどと高く、乳児でも再発率は50%となるため、まずは小範囲の病変にテスト照射を行い、しばらく経過観察を行い、治療効果や再発の有無を確認しながら病変全体にレーザー照射を行うことが多いです。
保険適応での治療が2回まで可能であり、照射間隔は最低でも3か月はあけて再発や副作用の発生がないかを確認しつつ、3~6か月間隔で治療を行います。
医師が皮膚の状態を診察し、シミやあざの状態を評価したうえでレーザーの適応があるかを判断します。その後、看護師より施術部位の確認、写真撮影を行い、レーザー治療の概要(アフターケアの方法、治療回数の目安、リスク、費用など)について同意書を用いてご説明します。
施術前にメイクを落としていただきます。
目を保護するゴーグルを着用し、照射を開始します。痛みは輪ゴムでパチンとはじかれる程度ですが、範囲が広い場合や痛みに弱い方には、麻酔テープを使用することも可能です。スポット照射後は軟膏を塗布し、テープ保護をして終了となります。トーニング照射の場合は赤みが軽度みられる程度であり、軟膏やテープ保護は必要ありません。
一般的に輪ゴムではじかれるようなパチッとした痛みがあります。小中学生以上であれば耐えられる場合が多いですが、照射範囲が広範囲であったり、痛みに弱い方の場合は麻酔を使用しての照射も可能です。
レーザーの照射直後に腫れ・むくみが多くの場合でみられます。腫れ自体は3,4日ほどで落ち着いてきます。まぶたでは内出血を伴うこともあり、内出血が生じた場合は1~2週間程度で消えていきます。
レーザー照射直後は軽いやけどの状態に相当するため、反応が強い場合は後からびらん(皮むけ)や水疱(水ぶくれ)などが生じる場合が稀にあります。びらん、水疱が生じた場合は軟膏処置を行い、およそ1~2週間で治癒しますが、しばらくは色素沈着を伴う場合があります。色素沈着は3~6か月の経過で少しずつ薄くなっていきます。
レーザー治療から1ヶ月ほど経過した頃から、照射部位の茶色が濃くなる場合があります。これはレーザーの熱による皮膚の炎症によって生じた色素沈着であり、もともとのシミなどの再発とは異なります。
炎症後色素沈着はレーザー照射部に紫外線を多く浴びて日焼けした場合や、肌の色が黒い方において生じやすいとされています。
多くの場合では 3~6ヶ月(長いと1年ほど)で少しずつ薄くなっていきますが、炎症後色素沈着のリスクを減らすためには、レーザー照射部位は必ず遮光(日焼け止めの塗布、日傘、帽子など)を行い、クレンジングやスキンケアの際も患部の摩擦を避けてケアすることが大切になります。その他、ビタミンCやトラネキサム酸などの内服、ハイドロキノンの外用なども必要に応じて行う場合があります。
同じ部位に繰り返してレーザー照射することにより、色素脱失(皮膚が白く抜ける)が生じる場合があります。炎症後色素沈着と同様に色素脱失の場合も多くは3~6ヶ月ほどで少しずつ色調が戻ってきますが、中には一定以上は戻らない場合もあります。
レーザー治療の途中で色素が点状に再生したり、まだら・ぶち状になることがあります。この変化は特に茶あざ(扁平母斑)でしばしば見られます。再度レーザー照射を行うことで消退していく場合と難治性の経過となる場合があります。
下記に該当する方はルビーレーザー治療を受けられません。
・妊娠中、授乳中、妊娠可能性のある方
・高度に日焼けをしている方、日焼けをする可能性のある方
・金の糸を入れている方
・金製剤(シオゾール注、グレリース錠、リザスト錠、リドーラ錠)の注射・服用歴のある方
・抗凝固薬(ワーファリン、プラザキサなど)を内服中の方
・てんかんの既往のある方
Qスイッチルビーレーザーによる治療が保険適用となるのは、青あざ(太田母斑、異所性蒙古斑)、茶あざ(扁平母斑)、外傷性色素沈着症です。具体的には下表のようにレーザーを照射する面積によって料金が異なり、頭頚部・体幹部・右上肢・右下肢・左上肢・左下肢といった6部位ごとに分けてられており、病変の部位が複数部位にみられる場合は、部位ごとに下表の料金がかかります。
※上記以外の疾患では自費診療となり、大きさや範囲によって料金が異なります。
※治療費用の他に、診察料などがかかります。
※保険適応疾患の場合は子どもの医療費助成制度が適用されますので、千葉県にお住まいの18歳以下の自己負担は0~300円となります。医療費助成制度の対象年齢や助成費は自治体によって異なりますので、詳しくはお住いの市区町村にご確認ください。
| 照射面積c㎡ | 3割負担の場合 |
|---|---|
| 4c㎡以下 | 6,000円 |
| 4c㎡以上16c㎡未満 | 7,110円 |
| 16c㎡以上64c㎡未満 | 8,700円 |
| 64c㎡以上 | 11,850円 |
シミ、そばかすは大きさによって料金が異なります。
例えば「直径1cmまで:13,200円」の場合は、3mmのシミ×3か所や、2mmのシミ+8mmのシミといったように合算することが可能です。
| 大きさ | 料金 |
|---|---|
| 直径1cmまで | 13,200円 |
| 直径1.5cmまで | 19,300円 |
| 直径2cmまで | 26,400円 |
| 2cm以上は5mm追加毎 | 6,100円 |
| 範囲 | 料金 |
|---|---|
| 両頬 <初回> | 11,000円 |
| 両頬 <リピーター割> ※前回より2か月以内 |
13,200円 |
| 両頬 <通常料金> | 15,400円 |
| 全顔 <初回> | 17,600円 |
| 全顔 <リピーター割> ※前回より2か月以内 |
19,800円 |
| 全顔 <通常料金> | 22,000円 |
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