キュアジェット
キュアジェット
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キュアジェットは2023年に韓国で導入され、日本でも2024年より使用されるようになった、世界で初めて針を使わずに皮膚の内部に様々な薬剤を注入できる美容医療機器です。千葉県では当院が初の導入となります。
宇宙工学から応用されたエアジェット(空気圧)方式によって、針を使わずに薬剤を注入することができるため、痛みが少なく、赤みや内出血などのダウンタイムも抑えられるという特徴があります。ポテンツァ、ダーマペン、水光注射といった従来の針を使用した施術に抵抗、不安がある方や、ニードル系の施術よりも痛みやダウンタイムを抑えつつ治療を行いたい方にとっても良い選択肢となります。また、エアジェットの刺激が皮膚内部に微小な傷を作り、コラーゲンの生成が促進されることによる肌の若返り効果、そしてエアジェットにより瘢痕組織のマイクロサブシジョンも行うことができるためニキビ跡の凹みへの効果などもあります。そのため、注入する薬剤の種類やキュアジェットの施術モードを変更することで、毛穴の開き、ニキビ跡の凹み、手術・ケガ・水ぼうそうなどの傷の凹み、小じわ、赤み、多汗、皮脂、ケロイド、脱毛症、ストレッチマークなど様々なお悩みに対してアプローチすることが可能となります。


キュアジェットでは高速のジェット気流を利用して、様々な薬液を皮膚の表面だけでなく深い層(真皮層)まで均一に届けることが可能なため、肌悩みに応じた有効成分をムラなく皮膚全体に届けるといったドラッグデリバリーが可能です。また、エアジェットの刺激により皮膚内部に微細な傷が作られることで皮膚の再生が促されます。それによって真皮のコラーゲンが増えるため、毛穴の開き、ハリ、小じわ、たるみなどリジュビネーション(肌の若返り)の効果が期待できます。すなわち、キュアジェットでは従来のフラクショナルレーザーのような皮膚内部に微小な傷を作ることでコラーゲン生成を促す効果と、皮膚内部に目的に応じた薬液を均一に届けることができる効果を、針を使わずに一度の施術で引き出すことができます。

ニキビによる炎症の結果、皮下の線維組織が固く癒着することで皮膚が深部に引き込まれるように凹みが生じます。これをいわゆるニキビ跡(クレーター)といい、治療にはサブシジョンといって固く癒着した線維組織を切断・剥離してほぐし、陥没したクレーター部分を上に持ち上げる施術が必要となります。キュアジェットではサブシジョンを針ではなくエアジェット(空気圧)により行うため、針で行うよりもダウンタイムが少なく、かつ細かく均一に行うことができます。これをマイクロサブシジョンといいます。キュアジェットではマイクロサブシジョンで固く癒着した線維組織がほぐれた後に、ジュベルックなどのコラーゲン生成を促進するコラーゲンブースターをキュアジェットにより患部に注入することで、再癒着を防止しつつ下からクレーターを持ち上げる効果が期待できます。
キュアジェットには「コンタクト(接触)モード」と「トーニング(非接触での中空照射)モード」の2つの施術方法があります。
コンタクトモードはエアジェットおよび薬剤の噴出口が皮膚に直接接触している状態で施術する方法です。凹んでいるニキビ跡、手術・ケガ・水ぼうそう後などの凹んだ傷跡、しわなど、ピンポイントで効果を出したい場合、皮膚の深い層へのアプローチが必要な場合などに対して選択されます。

トーニングモードはコンタクトモードとは異なり、エアジェットおよび薬剤の噴出口を皮膚に直接接触させずに
離した状態で施術する方法です。コンタクトモードに比べて皮膚のやや浅い層までのアプローチとなり、噴出口が離れるため痛みやダウンタイムが抑えられます。コンタクトモードがピンポイントの病変へのアプローチであるのに対して、トーニングモードは顔全体あるいは鼻、頬、首など各パーツ全体に対する肌質(毛穴開き、ハリ、小じわ)の改善、リジュビネーション(肌の若返り)が期待できます。また使用する薬剤によってはリジュビネーションに加えて、発汗や皮脂の抑制、酒さ(赤ら顔)に対しても同時にアプローチしていくことも可能です。

下記のようなお悩みがある方の場合はキュアジェットが治療選択肢となります。
特に、針を用いた施術・注射が苦手な方、金属アレルギーのある方の場合も良い適応となります。
これらの凹みはいずれも炎症により皮膚内部で線維組織の癒着・ひきつれが起こることが原因です。エアジェットおよび薬液の噴出口を直接凹みに接触させるコンタクトモードで行うことで、凹みの直下で形成されている線維組織の癒着を断ち切ります。これをマイクロサブシジョンといいます。また、①エアジェットによる組織への刺激、②注入する薬剤の効果によってコラーゲン生成が促進され、凹みの直下でコラーゲンが増えるため、これらによっても凹みの改善効果が期待できます。当院ではジュベルックというコラーゲン生成を促進する効果(コラーゲンブースター)のある製剤を使用しています。ジュベルックはポリ乳酸と非架橋ヒアルロン酸を主成分とし、ポリ乳酸が皮膚内部のコラーゲン生成を促進することでニキビ跡、毛穴の開き、ハリ・小じわ、色素沈着などを改善する効果があります。また、ジュベルックは粒子の形が丸くなるように作られているため、周囲の細胞への刺激が少なく、しこりや肉芽の形成リスクが少なくなっています。そして、注入後1~2年かけてゆっくりと吸収されていくためコラーゲン生成などの効果が持続的かつ長期的に期待できる点もメリットとなります。ジュベルックに含まれている非架橋ヒアルロン酸は水分を集める効果があり、注入後の早い段階からも肌の保水力の向上が期待できます。

エアジェットおよび薬剤の噴出口を皮膚に直接接触させずに離した状態で施術を行うトーニングモードで行うことで、鼻、頬、おでこなどの気になるパーツのみ、あるいは顔全体など広範囲に対して施術を行うことができます。トーニングモードではニキビ跡の凹みなどに対するマイクロサブシジョンが主な効果ではなく、①エアジェットによる組織への刺激、②注入する薬剤による効果によってコラーゲン生成が促進されることで、毛穴開き、肌のハリ、小じわなどの様々な肌悩みに同時にアプローチすることができます。当院ではジュベルックやボツリヌストキシン(ボトックス)などを患者様の皮膚の状態やお悩みの症状に対して選択し使用しています。
ボツリヌストキシン(ボトックス)を用いたトーニングモードで施術を行います。いわゆるボトックスとはボツリヌストキシンが正式名称であり、ボツリヌス菌が作り出したタンパク質の成分です。従来からボトックスは表情筋に注射で投与することで、額・眉間・目じりなどの表情シワを改善する目的で使用されていますが、ボトックスを皮膚の深い層にある表情筋ではなく皮膚の浅い層に投与することで、表情筋を抑制させずに皮膚表面のみに作用させるが可能となります。これをマイクロボトックスといい、マイクロボトックスでは毛穴の開きの改善、肌のハリの促進、リフトアップ効果、肌の赤みの改善(毛細血管の拡張抑制)のほか、顔の皮脂や汗を抑える効果も期待できます。また、酒さに対してボトックスが有効であったとする報告もあることから、他の治療で酒さの赤みの改善が得られないケースなどでは選択肢となります。
ボトックスの効果はおよそ4か月で切れてくるため、定期的な施術が推奨されますが、エアジェットによる皮膚組織への刺激・再生効果は長期間持続します。また、通常マイクロボトックスは注射針を使用して1か所ずつ顔の広範囲に細かく注射をしていきますが、注射針による痛みや何度も針を刺される恐怖感などが難点となっていました。一方で、キュアジェットを用いたボトックス注入では注射針による注射と比べて痛みが少なく、より細かく均一にボトックスを投与することが可能という利点があります。また、ボトックスを用いた施術では1~2週間程度で効果を実感しやすいことも利点となります。
当院ではケナコルトと呼ばれるステロイドの一種とボツリヌストキシン(ボトックス)を用いたコンタクトモードにて治療を行っています。ボトックスは様々な論文でケロイドへの有効性が示されています。そのため、ケナコルトの局所注射を複数回行っても症状が改善しにくいケースなどでは、キュアジェットによるケナコルトとボツリヌストキシンを用いた治療は効果が期待される選択肢と考えられます。
しわは表情筋が収縮することでみられる表情じわと、加齢によって徐々に真皮のコラーゲンの産生が低下、減少したり、表情じわが繰り返されることにより、常にしわがみられる状態となる固定じわ(刻まれじわ)に分かれます。キュアジェットでは主に固定じわに対して改善効果が期待できます。エアジェットによる皮膚組織への刺激を介したコラーゲン生成促進、加えてジュベルックなどのコラーゲンブースターを同時に注入することによってもコラーゲン生成が促進されるため、しわが形成されている部分で少なくなっているコラーゲンが増え、組織が再生することでしわの改善が期待できます。
施術直後は赤み、腫れがでて、一部に点状出血がみられる場合があります。その他にはかさぶたや、点状の内出血、色素沈着があらわれる場合があります。
トーニングモードでダウンタイムを抑えめに設定した場合は赤み、腫れは1~2日程度で引き、やや強めの設定で施術を行った場合は赤み、腫れは数日~1週間ほど続く場合があります。
コンタクトモードにおいても赤み、腫れなどの症状は数日~1週間ほどで目立たなくなります。
点状の内出血がみられた場合は1~2週間程度で吸収されて目立たなくなります。
一般的には4週間ほどあけて3~5回ほど行うことが推奨されます。エアジェットの刺激に伴う皮膚の再生効果は、施術後も長い時間をかけて持続的にあらわれてきます。また施術時に注入する薬剤による相乗効果も期待できます。例えばジュベルックなどのコラーゲンブースターでは注入後も1~2年ほどかけてコラーゲン生成が持続するため、施術直後のみならず施術後も長期的な肌質の改善、リジュビネーション(肌の若返り)の効果が期待できます。そのため、正確に4週間隔で施術を受けることは必須ではなく、スケジュールにより2~3か月空いても問題はありません。3~5回ほどで効果が実感できた場合は、より長期的に良い状態を維持するために半年に1回程度でメンテナンスを行うことも推奨されます。
以下に該当する方は安全性の観点からキュアジェットによる治療は受けられません。
・妊娠中の方
・抗血小板剤、抗凝固剤などを内服中の方、出血傾向がある方
・治療部位がジクジクした傷となっていたり、感染、炎症を起こしている方
| 照射部位・対象疾患 | 料金(税込み) |
|---|---|
| 2×2cmの範囲もしくはニキビ跡5か所まで | 33,000円 |
| 3×3cmの範囲もしくはニキビ跡10か所まで | 44,000円 |
| 5×5cmの範囲もしくはニキビ跡20か所まで | 55,000円 |
| 額のしわ(2本まで) | 55,000円 |
| 眉間のしわ | 33,000円 |
| 首の横しわ 1本 | 33,000円 |
| 首の横しわ 2本 | 44,000円 |
※コンタクトモードは基本的にDr施術となります。
| 照射部位・対象疾患 | 料金(税込み) |
|---|---|
| 鼻 | 33,000円 |
| 両頬(内側もしくは外側のみ) | 33,000円 |
| 両頬全体 | 44,000円 |
| 鼻+頬(内側あるいは外側) | 55,000円 |
| 額 | 38,500円 |
| 全顔 | 77,000円 |
| 首 | 44,000円 |
| 手の甲 | 55,000円 |
※トーニングモードは基本的に看護師施術となります。
| 未承認医薬品等 | キュアジェットは医薬品医療機器等法上において国内で承認されていません。 |
|---|---|
| 入手経路等 | 当院では医師の判断の下、BAZ BIOMEDIC社経由で個人輸入しています。 |
| 国内の承認医薬品の有無 | 同一の成分・性能を有する国内承認医薬品等はありません。 |
| 諸外国における安全性などに係る情報 | 韓国KFDAの承認を受けており、注射式シリンジ/液状の薬液を磁力やバネで噴霧し、皮膚に通して注入する装置として安全性が認められています。 |
| 医薬品副作用被害救済制度について | 万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。 |
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